2018年6月4日 梁頌恒(バッジオ)、游蕙禎とその秘書ら5人への判決


2018年6月4日、香港の区域裁判所で元青年新政所属の立法議会議員、梁頌恒(バッジオ)、游蕙禎とその秘書ら5人への量刑言い渡しがなされた。


5人はすでに有罪判決を受けている。


5人の身柄は拘束されていないことから、長期にわたる禁固刑は免れると想定されていた。


3番目の被告(テリー)については禁固刑ではなく社会奉仕が認められるか否かが焦点となった。


裁判は朝9時半に開廷予定であり、開廷前から多くのメディアが法廷の前に集まった。


判決を待つ5人はそれぞれの支援者や近しい人と朝食をともにするなどして法廷に姿を見せる。


バッジオはいつものブルーシャツに紺のショートパンツ、游蕙禎は真っ白なワンピースに白のスニーカーと赤の靴下。


傍聴席は顔馴染みで埋まり、長髪がトレードマークの民主活動家梁国雄や雨傘革命中に毎日深センから支援に通い公民広場前に描いた黄色のペインティングが印象的だった王婆婆も姿を見せた。


冒頭でまず弁護団からテリーの社会奉仕活動の嘆願と、游蕙禎の嘆願書(本人、歴史教師、友人)が読まれた。


ここで一度散会した。嘆願書の通読に時間がかかり予定再開時刻が後ろ倒しされる。


バッジオは努めて明るく振舞い、スマホのゲームをしたり、日本からの客人にも笑顔を返すなどしていた。


散会中は人目を避け、7階の法廷から3階のテラスへ移動し、集まったメディアを見ながら関係者と話をしていた。


游蕙禎は支援者らの呼びかけには笑顔で応じるものの、心の中にある不安はその表情に表れていた。


再開後、裁判官より量刑が言い渡される。


游蕙禎の嘆願書は読んだが、彼女は家族にたいしてのみ申し訳なく思っていること、がんを患っている父親は情状酌量するに関係ないこと、反省の色が見えないこと、またテリーについては積極的に議会乱入に関わっていたこと、騒動が続いた20分間は決して短い時間の出来事ではなく、悪いことと知りながら関わっていたことなどから社会奉仕活動は適当ではなく、5人全員に4週間の禁固刑が言い渡された。


弁護団から即時に上告する予定である旨が告げられ、ガラスの囲いの向こうに移動させられた5人は一人ずつ法廷を後にした。


5人に対しては傍聴席から「がんばれ」などの声が飛んだが、非常に落ち着いた表情で警護に従っていた。


游蕙禎は法廷を後にする際、裁判官に鋭いまなざしを投げかけ、それが裁判官によって記録される。


上告に当たり、出国に必要な書類を裁判所に預ける必要があり、支援者らがそれらを集めに法廷を足早に出ていく。


するとおよそ1時間後、游蕙禎のチームの計3人が上告を取りやめたことが伝えられる。


テリーは母親の病気の看護をする必要などから、仮に禁固刑になったとしても服役を決めていたとされる。


実際当日の朝皆で一緒に朝食を取ってから法廷へ向かう予定であったが、親しい人ととれる最後の朝食になることから、前日遅くにキャンセルされている。


このことが游蕙禎ら他のメンバーに影響を与えたかはわからない。


手続きを終え外に出てきたバッジオも詳細については話ができなかったと伝えた。


游蕙禎ら3人は即時に収監され、バッジオと5番目の被告は上告の選択を行った。


HK is NOT China.com / 香港の民主化運動:雨傘、普通選挙、そして自決

香港の民主派、独立派、自決派とよばれる若者を中心とした動きを解説します。雨傘運動は世界的に大きな注目を集めましたが、成果なく終わりました。その後雨傘運動の中心であった学生たちは議会へ戦いの場を移し、実際に当選者を多数輩出しましたが、そこで待ち受けていたのも中国の圧倒的な力でした。こうした中で広がる無力感や、日本のメディアでは民主派とひとくくりにされてしまい正確に伝わらない状況などを伝えます。

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