雨傘運動リーダー3人への2審判決、終審法院で撤回へ
雨傘運動において違法な集会へ参加する等の罪で起訴されていたジョシュア・ウォン、ネイザン・ロー、アレックス・チョウへの終審法院(最高裁に相当)が結審し、判決が言い渡された。判決は3人の勝利と言え、検察側が勝利した2審の判決が覆った。
本案件は中国の強まる圧力を背景に法の支配が揺れる香港において、しかしそれでも香港らしさを維持した終審法院の勇気ある判断であるともいえよう。
主なタイムラインは次の通り(本タイムラインでは参考のために東北案、および旺角占拠案件についても併せて記載する)。
2014年6月13日
新界地域再開発に関する抗議活動(東北案)で警察との衝突発生
2014年9月26日
雨傘運動発生
2016年2月
新界地域再開発に関する抗議活動(東北案)について、社会奉仕活動等の判決。量刑が少なすぎるとして香港律政司が控訴。
2016年8月15日
雨傘運動においてセントラル側でシビックスクエアを占拠し退去命令も拒否した等の罪でジョシュア・ウォンに対し80時間の社会奉仕の量刑言い渡し。
同じ罪状でネイザン・ローに120時間の社会奉仕活動、アレックス・チョウは扇動罪で執行猶予一年禁固3週間の量刑言い渡し。
2017年8月
新界地域再開発に関する抗議活動について、控訴審で1審を上回る8~13か月の禁固(東北案ガイドライン)。
2017年8月17日
雨傘運動においてセントラル側でシビックスクエアを占拠し退去命令も拒否した等の罪でジョシュア・ウォン、ネイザン・ロー、アレックス・チョウにそれぞれ禁固6か月~8か月。
これは東北案でのガイドラインを事後的に参照した判決となったとともに、一事不再理、二重刑罰等多くの問題点を指摘されていた。また当局側には3人を3か月より長い実刑とすることで、向こう5年間の選挙立候補を阻止する狙いがあったとされる。
2018年1月17日(控訴中)
雨傘運動において旺角違法占拠等の罪でジョシュア・ウォンに禁固3か月
(同じ罪状でラファエル・ウォンにも4か月15日)
2018年2月6日
雨傘運動においてセントラル側でシビックスクエアを占拠し退去命令も拒否した等の罪に関する終審法院(最高裁相当)で検察を支持した2審判決を破棄。1審の内容を支持。
終審法院では、東北案を参照し、暴力を伴った抗議活動についての厳罰化ガイドラインの必要性に言及しつつも、本案件は東北案以前のものであるとした。
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